ニュージーランド移住を調べ始めると、必ず出会う言葉があります。それが「グリーンリスト(Green List)」です。ひとことで言えば、ニュージーランド政府が「人手が足りないので今すぐ来てほしい」と公式に指定した職業のリストのこと。自分の職業がこのリストに載っているかどうかで、永住権までの距離がまったく変わってきます。この記事では、2026年現在の最新情報をもとに、グリーンリストの仕組みと活用法を整理します。
グリーンリストとは?2階層で構成される優遇職種リスト
グリーンリストはTier1とTier2の2階層で構成され、対象職種は移民局のオペレーションマニュアル(Appendix 13)で随時更新されます。対象分野には医療・建設・教育・ICT・技能職などがありますが、職種ごとに資格・登録・賃金の要件が異なります。対象かどうかは移民局の現行Green List職種検索で確認してください。
このリストが重要なのは、単なる「求人が多い職業一覧」ではなく、ビザ・永住権の優遇に直結する制度だからです。リスト掲載職種で一定の条件を満たせば、通常より大幅に短いルートで永住権を申請できます。
注意したいのは、リストが固定ではなく毎年見直されることです。2026年3月9日に追加された47職種は、AEWV(認定雇用主就労ビザ)向けのNOL職種であり、Green Listへの追加ではありません。職種名が似ていても制度を混同しないようにしましょう。
Tier1とTier2の違い:永住権までの距離が変わる
グリーンリストの職種は、Tier1とTier2の2段階に分かれています。この違いが決定的に重要です。
| 区分 | 制度名 | 永住権申請のタイミング |
|---|---|---|
| Tier1 | Straight to Residence | 条件を満たせば、いきなり永住権を申請できる |
| Tier2 | Work to Residence | ニュージーランドで2年間就労した後に永住権を申請できる |
Tier1(Straight to Residence)は、ニュージーランドに入国する前から永住権を申請できる可能性がある、いわば「特急券」です。看護師・教師・多くのエンジニアがこのTier1に含まれています。日本で専門職としてのキャリアを積んできた人にとって、これほど強力なルートはありません。
Tier2(Work to Residence)は、要件を満たすTier 2職種でニュージーランド国内で24か月働いた後に居住ビザを申請するルートです。就労期間・雇用主・賃金などの条件も満たす必要があります。
ここで取得するのは居住ビザ(Resident Visa)です。無期限の再入国権を持つPermanent Resident Visaとは別で、通常は居住ビザを2年間保持した後に後者を申請できます。
主な対象分野:医療から「デジタル」へ広がる
対象職種を分野で見ると、おおまかに次のような構成です。
- 医療系:看護師(RN)はTier1の代表格。医療人材の確保はニュージーランドの最優先課題です
- 教育系:教師もTier1に含まれます
- エンジニアリング系:多くのエンジニア職がTier1の対象です
- 建設・トレード系:インフラ整備を支える技能職が幅広く掲載されています
- ICT系:一部のICT職種も対象です。職種名だけでなく、公式リストの資格・経験・賃金要件を確認してください
エンタープライズアーキテクトやVR/ARスペシャリストはAEWV向けNOLの追加例です。それだけでGreen Listの居住ビザ経路の対象になるわけではありません。
なお、看護師については資格の切り替え手続きなど独自のプロセスがあるため、看護師がニュージーランドで働くための完全ガイドで詳しく解説しています。
自分の職業がリストにあるか調べるには
「自分の仕事は対象なの?」という疑問への答えは、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand)の公式サイトで確認するのが唯一の正解です。グリーンリストの職種には、それぞれ求められる資格・経験・登録要件が細かく定められており、職種名が一致するだけでは不十分です。
- 公式サイトのGreen Listページで職種名(英語)を検索する
- 該当職種の資格要件・実務経験要件を確認する
- 職業によっては、ニュージーランド側の職業登録(看護師の看護協議会登録など)が別途必要
日本語の職種名と英語の職種分類(ANZSCO)は必ずしも一対一で対応しないため、迷ったら公式サイトの記載を基準に判断してください。
賃金要件は職種・申請経路ごとに確認
Green Listにすべての職種共通の賃金基準があるわけではありません。職種ごとに特定の時給・年収要件が定められる場合があり、Tier 2の就労期間にも適用される賃金条件があります。職種別の現行要件と申請する居住ビザの条件を確認してください。
グリーンリストは移住ルート全体の中で考える
グリーンリストは強力な制度ですが、あくまで移住ルートのひとつです。年齢・職歴・資産状況によっては、ワーキングホリデーや学生ビザから始めるほうが現実的な場合もあります。ニュージーランド移住の選択肢を全体像から把握したい方は、ニュージーランド移住の全ルートまとめもあわせてご覧ください。
自分の職業がTier1に載っていた——それは、ニュージーランドがあなたを待っているというメッセージかもしれません。まずは公式リストで職種を確認するところから、一歩を踏み出してみてください。
制度は変わります。申請前に移民局の現行Green Listと各居住ビザの条件をご確認ください(2026年10月確認)。
グリーンリスト経由でビザ・永住権を取得する条件
グリーンリストの職種に該当しても、自動的にVisaが出るわけではありません。ビザ取得には移民局(Immigration New Zealand)が定める条件を満たす必要があります。ニュージーランドの永住権へ進む場合の主な要件は次のとおりです。
- 年齢:申請時に55歳以下であること
- 雇用:認定雇用主(accredited employer)からのジョブオファー、またはそこでの就労。ビザ(Visa)の区分はTier 1なら Straight to Residence(すぐに永住権申請が可能)、Tier 2なら Work to Residence(24か月の就労後に申請)です
- 学歴・資格・経験:職種ごとに取得が求められる学歴や登録資格が定められており、要件は決して低くありません(例:看護師はNCNZ登録)。自分の職種の要件を職種リストで必ず確認してください
- 英語力:IELTSなど承認された試験による英語力の証明(申請時点で2年以内のもの)。国籍・学歴・資格によって試験結果以外で証明できる場合もあります。英語力に不安がある場合は先に対策を
- 健康と品行:健康診断と無犯罪証明
要件は高いように見えますが、需要の高い職種の技能を持つ者にとっては、ニュージーランドの永住権取得への最短経路です。制度は変わることがあるため、申請前に移民局の公式情報を確認し、判断に迷う場合はライセンスを持つ移民アドバイザーへの相談やサポートの利用を検討してください。転職エージェントの求人紹介から入る場合も、雇用先が認定雇用主かの確認が第一歩です。雇用契約の内容(フルタイムか等)も取得可否に影響します。
